pofkuma’s blog

考えたことや学んだことを気ままに書くブログです

XP祭り2021に参加した感想

エクストリーム・プログラミングについて学ぶために、今回初めて参加しました。
イベントの中で特に印象に残ったことや学んだことを書いておきます。

XP祭り2021

xpjug.connpass.com

XP祭りとは

2002年から毎年開催されているんですね!脈々と受け継がれるエネルギーが凄いです。
Discordが実際の会場のようになっていて、ホールA〜Mのチャンネルでそれぞれ用意されているZoom Meetingのリンクから発表・視聴する形になっていました。
トイレ、食堂、廊下などのチャンネルもあるのが面白かったです(笑)

20周年記念セッション

日本XPユーザーグループ 20周年 - Google スライド

冒頭のアジャイルに興味を持ったきっかけの内容に共感し、心を掴まれました。
渋川さんのお話の中で、"日本初のアジャイルに関する書き下ろしの書籍"が、Rubyに関する本だったということを知りました。XPとRubyには深い関わりがあるみたいです。

倉貫さんのメッセージ動画では、XP祭りとの出会いの話から勇気を出して一歩踏み出すことの大切さについて聞くことができて、とても励みになりました。
特に心に残ってメモした内容を書き残しておきます。

  • コミュニティと同じように、仕事でも管理とか指示をしなくてもできるんじゃないか
  • 最初はインプットするだけの側だったが、アウトプットする側になるともっと楽しくなった
  • 文化祭に例えると、参加する側よりもやる側の方が楽しい
  • 何かをするときには最初の一歩を踏み出す勇気が一番大事なんじゃないか
  • 挑戦すると、得られるものしかない

倉貫さんの実体験に基づいた言葉は、とても心に響きました。

基調講演

XP祭り2021 - 自分のしたい、から、みんなのしたい、へ。 (Appreciative Inquiry behind Extreme Programming)

https://www.slideshare.net/hiranabe/appreciating-your-way-to-xp

平鍋さんのキーノート。チャットもすごく盛り上がっていて、楽しい時間でした。
XP祭り20周年の表彰状から、20年続いていることの凄さが伝わってきました。

「問題解決型アプローチ」と「ポジティブ・アプローチ」の対比から、XPの価値観を知ることができました。
何かを改善しようと思ったとき、よくある問題解決型アプローチでは問題を特定することから始めるのに対して、ポジティブ・アプローチでは”本来の最高の価値を発見する”ことから始めるそうです。「人はどれだけ歳をとっても自分のやりたいことを持っていて、それを話したいし話している時はキラキラしているんだ」という話があって、そういうエネルギーの凄さみたいなものが伝わってきました。

- 自分たちの良いところを認識することからはじめるXP

「アプリシアティブ・インクワイアリ」(Appreciative Inquiry)では、まず現状うまくいっていることに着目し て、そこから変化を促す。最初に、現在もしくは過去のポジティブなことに焦点を当て、そこで見つけたエネ ルギーとアイディアを現在起きていることに適用する。

仕事でも私生活でも、問題に焦点を当てていると苦しいばかりで楽しくないから、余計上手くいかないんだなぁと思いました。
自分自身や他の人と会話してみて「どうしてそうなった?どうしたら良くなる?」というような質問を通じて、良さを引き出していくのは楽しそうです。
これは一人でもできることなので、普段から実践してみようと思います。そして、自分自身を最初に改善していくことを忘れないようにしたいです。

ポジティブ増殖法

ポジティブなことに焦点を当てる方法として、KPTやKPTAをやるときにKeepから始めるというアイデアがありました。(KPTAというものを初めて知りました。) Keep→Try→Action→Keepのサイクルによってポジティブを増殖していくというアプローチがとても良さそうです。

KPTAのTryとActionの違い

チャット欄で話題にあがっていた記事も読んでみて、KPTをやるときに実践してみたいです。

これからはじめるふりかえり「いのち」のサイクル|tkskkd|note

ふりかえりでFun! Done! Learn! | オブジェクトの広場

会読のススメ

会読のススメ〜XP会読会から学んだこと〜 / Encouragement of Reading and Discussion - Speaker Deck

こちらでは、XP白本と呼ばれる書籍をみんなで読んで議論したことで、学びの共有ができ理解が深まったという話を聞きました。
初めてみたら楽しくてやめられなくなって、気づいたら1年続いていたというエピソードが素敵でした。
会読会という呼び方は初めて聞きました。読書会や輪読会など呼び方は様々ですが、自分一人じゃなく誰かと一緒に本を読むことで何倍も学びや楽しみが増えるということは一貫している気がします。
これを機会に本を買ったので読んでみます。

XP白本の初版と第二版で内容が少し変わっているらしく、以下の記事を参考にさせていただきました。

書籍「エクストリームプログラミング」の読みかた - koicの日記

ソフトウェア見積もりの公式

Formula of Software Estimation - Speaker Deck

副題の"I'm not the best, but I'm pretty good"がとても好きです。
最近仕事で自社製品開発の見積もりを任され、見積もり手法について悩んでいたので興味を持ちました。

  • 見積もりはスキルであり、身につけることができる
  • ある程度事前に設計を行なった上で見積もりが成り立つ
  • 過去の経験や実装方法を踏まえて見積もりをブラッシュアップし続ける
  • 先の見通しを立てることで問題に素早く対処できるようにするために見積もりが必要
  • 進捗(全体のうちどれだけ進んだか)を見ながら、全体の総量を把握・コントロールする

といったことを学ぶことができました。
吸収できたのはほんの一部だと思いますが、XPのとともに実際の現場での考え方や方法論に触れることができて良かったです。
私自身、設計も実装もほぼ経験したことがなく過去の見積もりを参考にするしかなくて、やっぱり作るものを考えるだけじゃなく作る経験とセットで、これから身につけていきたいと思いました。


ビブリオバトルやLT祭りもあって、本当にお祭りらしくて楽しいイベントでした。 他にも気になるセッションがありましたが、参加者には期間限定で録画が公開されるそうなので、また後日視聴させていただこうと思います。
スタッフの皆様、登壇者・参加者の皆様、ありがとうございました!!